ラウンジセミナー「雲走範子 語りの会」を開催しました
2021年2月17日(水)10:30~11:30、昨年2月にアートスペースでパンの花展示会をしていただいた雲走範子氏による語りの会を開催しました。
雲走氏は、30代のときに、進行性の視覚障害と診断され、42歳からパンの花を製作されています。現在は県内で唯一の視覚障害に特化した就労支援B型事業所「希望の星」で支援を受けながら製作に取り組まれています。
前回のラウンジセミナーでも「語り」を披露いただきましたが、たくさんのお客様から「もう一度聞きたい!」というお声をいただき、今回2回目の開催が叶いました。当時お母様に言われた、「障害があっても出来るものをみつけなさい」という前向きな言葉をきっかけに、「パンの花」製作に取り組まれ、さらに視力の低下が進行するなかでも(たとえ目が見えなくても耳と目は大丈夫!)と、昔から好きだった絵本や民話を子供はもちろん大人にも聴いてもらいたいという思いで、「語り」を始められたそうです。
本日の語りの演目は、『蛇婿』『屁ったれ嫁さん』『スーホの白い馬』の3つ。
最初の「蛇婿」は、蛇が男になって人間の娘に求婚するお話しですが、節句にちなんだ民話です。節句の日には、菖蒲湯に入ったり、桃の花を飾る風習がありますが、この民話の中で、その由来が語られていました。蛇の子を宿した娘を救うために、邪気を払うための菖蒲酒が始まりのようです。季節に合った内容で、家族や友人にも教えてあげたくなるような民話でした。
次に「屁ったれ嫁さん」の民話は、大きな屁を放つお嫁さんの愉快な笑い話しです。雲走氏の方言を交えた心地よい口調に引き込まれ、次々と登場人物が頭に浮かびました。特に、嫁ぎ先で初めて大きなおならをし、義両親がおならの勢いで飛ばされるシーンは見事で、会場からはクスクスと笑い声が聞こえてきました。
最後のお話「スーホの白い馬」には、ゲストにモンゴル出身、馬頭琴(ばとうきん)演奏者のバヤラト氏にご登場いただきました。雲走氏の語りにあわせた美しい音色は、モンゴルの大草原が目に浮かぶようでした。羊飼いと白い馬の切なくも美しいストーリーに、涙があふれましたという感想も多く聞かれました。
その後もバヤラト氏にアンコールも含めて3曲のご演奏をいただきましたが、馬頭琴という楽器を初めて知ったという方も多く、大変喜ばれました。
新型コロナに加えて、先日の地震、大雨、断水騒ぎと不安と緊張が続く日々ですが、少し日常から離れて夢中になれる、贅沢なセミナーとなりました。
本日も一乃庵. の「オレンジのパウンドケーキ」をお土産として差し上げております。
以下は、アンケートに寄せられたお客様のこえです。
- 雲走さんの優しい語り口にほっこりした。馬頭琴の演奏は広大な草原を連想させられとても良かったです。日常でこまごまとしていたことが吹っ切れる想いでした。
- コロナのこと、その他嫌なことを忘れさせていただいた1時間でした。マスクの下で大笑いし、素晴らしい音楽で楽しませていただき本当にありがとうございました。語りと音楽最高です。
- スーホの白い馬、雲走さんのお話もバヤラトさんの馬頭琴も心に染みて涙があふれてなりませんでした。ありがとうございました。
- とてもやさしい温かみのある語りに心癒されました。また馬頭琴の演奏も、スーホの話もあり心に響く演奏でした。「自分のできることを持つこと」、長い人生の中で今までの生き方をとても考えさせられました。
- 素晴らしい語りと馬頭琴の演奏、とても感激しました。尾花沢出身ということで、より一層親しみが沸いてきました。私は山形市ですが七ヶ宿も知っているので、とても楽しい時間になりました。馬頭琴の切ない演奏感激です。
- 語りはしみじみ、くっすり、良かったです。馬頭琴は初めて聴きました。モンゴルにいる気分を味わえました。
2021年02月17日