ラウンジセミナー「健康や自然にやさしいシルク」を開催しました
2021年1月20日(水)10:30~12:00で、現在アートスペースにて『西嶋 洋子のシルクの世界』開催中の、工房帛楽 主宰・暮らしに絹を研究会会長の西嶋 洋子氏によるセミナーを開催いたしました。
本日のお話しのテーマは「健康や自然にやさしいシルク」として、シルクの基礎知識をはじめ、作家ご本人が繭と出会い、作品作りを始めて現在に至るまでの経緯を詳しく教えていただきました。シルク製品というと、高級で普段使いには扱いづらいというイメージがあるかもしれません。シルクは美しいのはもちろんですが、身体を守る健康素材からできていることを知りませんでした。そもそも蚕から繭になり、糸を紡いで作られることをイメージしにくい方も多いかもしれません。
今回のアートスペースで行う展示では、シルク作品を見ていただくことは勿論ですが、蚕がどのように育ち、糸→布になるのか、過程もわかる内容になっており、蚕の種類のサンプル標本、糸を紡ぐための道具も展示しています。特に、蚕を育てる~手織り作品の制作までに関わる全ての機材は、西嶋氏のご主人による手作り、もしくは元々あった機材をさらに改造して作り上げているため、手織りで綺麗な文様ができる仕組みについても教えていただけます。また、繭の一生を詳しく知ることにより、生と死を考えるきっかけにもなりました。蚕は卵を孵化させ繭になり、糸を紡ぐためには繭ごとゆでる必要があります。その部分だけ知るとかわいそうと思うかもしれません。しかし、蚕は糸になる為に改良され生まれてきたもので、蚕蛾は飛ぶことが出来ず、エサも食べられずに死んでしまうそうです。糸として大切に身に付けること、残していくことが最善であるとお話しいただき、命の尊さを考えさせられる場面もありました。養蚕については皇室でも大切に継承されていることは有名ですが、現在は、仙台でも蚕を飼う体験学習を行っている幼稚園や小学校もあるそうです。先日も蚕のお勉強をしに小学生と幼稚園生が親子でいらっしゃいました。今回の展示を通して、命の尊さやシルク作品の奥深さが、小さなお子さんから大人まで、より興味を持っていただくきっかけになっていただけたら幸いです。
次に、シルクの種類や質感を知っていただく為に、お一人お一人に見本の手帳を作ってお配りしました。コロナ禍により、共有することに抵抗があるのでは?という講師のご厚意で、皆さんに喜んでいただきました。さらに、西嶋氏が織った布地の貴重な切れ端部分を、カード・封筒をセットにして、皆さんにプレゼントいただきました。「シルクの魅力」がたくさん詰まった贅沢なセミナーでした。
お帰りには、一乃庵. の「オレンジのパウンドケーキ」をお土産としてお持ちいただきました。
以下はアンケートに寄せられたお客様のこえです。
- 全く知らない世界に連れていっていただいた1時間半でした。シルクの世界が広がりました。それにしてもご夫婦の協力が素晴らしいですね。
- お話の仕方が優しくて心地よかったです。大変な手間をかけて作品を仕上げているのを聞いて、絹が貴重なものだと実感しました。
- 素晴らしい!大変感動です。西嶋先生との出会いに感謝です。興味深い資料とプレゼント、本当にありがとうございます。今度はぜひワークショップに参加させていただきたいと思います。
- 繭との出会いから、糸繰り→織り→作品→草木染め、繭を育てるわらまぶし機とその興味の発展性はとても素晴らしいです。夫婦の共作ですね。
- 一頭の蚕から吐いた一本の糸を、手間をかけて反物になるまでのご苦労は良く分かりました。すごいお仕事で感動いたしました。ありがとうございました。
- 絹糸になるまでのお話し、とても興味深く伺いました。なんと長い時間と、人の手と、何よりも蚕さんの恵をいただいていたことを知りました。大切にこれからも大事に使っていきたいと思います。
- 絹製品ができるまでが良く分かりました。高価なものであるという事が理解できました。40代から始められてここまでこられたこと、尊敬します。今日はありがとうございました。
2021年01月21日