2017年5月17日(水)10:30~12:00で、5月31日までアートスペースで開催されている企画展「伝統工芸の知恵と技の継承 -大切なものが失われないために-」の関連セミナー第三弾として、標記セミナーを開催いたしました。講師に大崎市竹工芸館 しの竹細工指導員の千葉 文夫氏、ナビゲーターに東北工業大学 ライフデザイン学部 安全安心生活デザイン学科の伊藤美由紀准教授をお迎えして、岩出山の「しの竹細工」の歴史、現在の取り組みと技術継承のための課題について教えていただきました。
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岩出山しの竹細工は、岩出山第4代城主 伊達村泰公が京都から竹細工職人を招き、武士の手仕事として奨励したのが始まりと伝えられています。以来300年以上の伝統を受け継ぐ宮城県知事指定伝統的工芸品です。
⑥
竹の表面を内側に編むことで、水切れに優れた、機能性を重んじる竹細工は、長年に渡り、人々の生活の中で重宝されてきました。代表的なものに、米をといだり小豆をこし餡にする時に使うざるがあります。用途によって、編み方は異なり、それを編み分けるためには、縦と横で竹の固さを変えることもあるそうです。
④
戦後の需要期には2,000人以上が竹細工づくりに従事したと言われていますが、現在は20名にも満たないそうです。職人の高齢化や、原料の調達から竹編みまで全工程が手作業であることも大きく影響しているということでした。分業は行われておらず、製品作りに関わる全てを職人自らが手掛けていらっしゃるそうです。

現在は大崎市竹工芸館を拠点として後継者の育成が行われていますが、竹細工の製品を作れるようになるには2年以上かかること、また、竹細工だけでは収入が十分ではないことから、定年退職後の生き甲斐として携わっている方が増えてきているそうです。最高齢は90代で、竹細工は一生の仕事として適しているという説明もございました。週末だけお手伝いに来る方もいらっしゃるそうです。
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古くからの技術を継承しつつ、今の生活に合わせた製品作りが積極的に行われているものの、生産量が追い付かず、製品が不足している状態が続いているとの説明もございました。

実際のざる製品を手に取り、その技術の高さに改めて感心されたお客様がほとんどだったと思います。

こうした伝統工芸の現状を知り、それを一人でも多くの人たちに伝え、現地に足を運び、製品を購入して生活の中で利用していくことを、私たち一人一人が実行していくことが、伝統工芸を継承していくために大切なことだと教えられたセミナーでした。

恒例の軽食タイムには、弊社飲食事業部「一乃庵.」の筍ごはんとじゅんさいのお吸い物の和食膳メニューをご賞味いただきました。

以下はアンケートに寄せられたお客様の声です。

  • 竹製品が好きで、結婚してから各地で買い始め、沢山集まり、その時々で使っています。材料から自分で採り、乾燥までしているとは知りませんでした。しまっているだけでなく、ざるも早速使いたいと思います。貴重なお話が聞けてラッキーでした。
  • 「しの竹」の材料集めから大変な工程があることを知りました。生活の中で伝統あるものを使うことは、落ち着いていて良いものだと思っています。今度、岩出山に行った時には、竹工芸館に行ってみたいと思います。
  • ざるは、あまり使うことはなかったが、見た目も美しく、しっかり編んであって使ってみたいと思いました。竹を切るところから全部自分でやるのはすごいと思いました。岩出山に是非行ってみたいと思いました。
  • ざるは水切れが大変良いので使っております。長持ちして重宝しています。今日のセミナー興味津々。専門的解説でも私にもよく分かり有意義でした。
  • 千葉様の人柄でしょうか。とても素敵な講座でした。改めて伝統を継承する難しさを知りました。
  • 岩出山のざるは、昔よく見かけて生活でも使用していましたが、この頃はプラや金属を使うことが多くなり、目にすることが少なくなりました。今日、手に取ってみて、こんなにしっかりした編み目だったのだと思いました。素晴らしいです。これからどう継承していくのか、職人をどう育てていくのか、問題が山積みかと思いますが、産学官一緒にいいものを目指していってほしいです。少しでも使用することで伝えていければと思っています。ありがとうございました。
  • 伝統工芸を継続していくのは本当に大変ですね。是非続いて行くようにお願いいたします。私たちが関心を持つ事が大事ですので、製品もなるべく求めて、周囲にPRしようと思いました。
  • 竹細工と言うと出来た商品や編み方に関心がいきますが、原材料の確保、育て方、管理などのご苦労が大変だと言うことが解り、とても勉強になりました。ぜひ岩出山の竹工芸館を訪ねてみたいと思いました。
  • 知らなかったことが学べ、これから色々な知識を広めていきたいと思います。
  • 本来の竹ざるを目にすることが出来て嬉しい。芸術品ですね。とてもきれいです。

 

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