2017年5月9日(水)10:30~12:00で、現在アートスペースで開催している企画展「伝統工芸の知恵と技の継承 -大切なものが失われないために-」の関連セミナーとして、「東日本大震災後の雄勝町と雄勝石産業の継承を目指して」を開催し、講師に雄勝硯生産販売協同組合 理事長 澤村 文雄氏をお招きいたしました。
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地域の資源を活用し、匠の知恵と技によって引き継がれてきた伝統工芸を継承していくための課題と今後の取り組みを知るセミナーの第一弾として実施しております。

弊社は、地元企業として、地域の伝統工芸の価値を改めて考える機会を大切にしたいとの想いから、4年前から共催の企画展を開催しております。今回の企画展は、株式会社清月記 ライフスタイル・コンシェルジュ、東北工業大学ライフデザイン学部安全安心生活デザイン学科、みやぎ地場産品開発流通研究会の三者共催で実現いたしました。

雄勝町は、経済産業大臣指定伝統工芸品である雄勝硯の産地で、地震による大津波で破壊的な被害を受けました。雄勝硯伝統産業会館に展示されていた約750個の雄勝硯の大半が流出してしまったそうです。雄勝地域は、津波第一波の後に引き波がないまま第二波が到来したため、雄勝湾内の深くまで遡上して被害が大きくなったと教えていただきました。
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雄勝硯は国指定の伝統工芸品であったことから、再建への着手は比較的早かったものの、補助金制度が単年度事業に限られていたりと、被災地の実情合わない事例が数多くあり、なかなか計画的に進まなかったということです。そうした内容も、澤村氏の優しく実直で、地域愛に溢れる語り口によって、地域再生への具体的なイメージを思い浮かべながら伺うことができました。現在、地区中心部の整備事業では、雄勝硯伝統産業会館の再建が進められています。

一方、雄勝石職人数は激減し、現在数名という状況になっています。後継者育成プログラムで3名の若手を育成中とのことですが、一人前になるためには最低でも10年かかることから、当面は手は足りない状況が続くということでした。
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また、本日は「雄勝いしのわプロジェクト」に取り組まれた東北工業大学 ライフデザイン学部 安全安心生活デザイン学科 伊藤准教授と大学院生の顧さんが、津波で流出した雄勝硯を収集し、調査・分類した成果も報告してくださいました。
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地域の風土、資源とともにある伝統工芸、そして手しごとを継承していくことの必要性と難しさを強く実感したセミナーとなりました。

恒例の軽食タイムには、弊社飲食事業部「一乃庵.」の中華点心メニューをご賞味いただきました。

以下はアンケートに寄せられたお客様の声です。

  • 澤村様の講話を興味深く聞かせていただきました。生きる姿勢を学ばせていただきました。ありがとうございました。どんなことでも諦めずチャレンジすることにします。
  • 大変興味深いお話でした。澤村さんの深刻な内容の中にもユーモアを交えたお話は大変良かったです。伝統工芸がさらに発展することをお祈りしています。東北工業大学の方々のお話も大変良かったです。
  • 地元に住んでいながらあまり良く知らず、色々聞かせて頂き勉強になりました。自宅にも雄勝石スレートの小さいものがあり、すごく身近に感じました。またセミナーに参加させていただきたいと思います。ありがとうございました。
  • 色々裏とか表のお話を聞いて感心いたしました。ご苦労もあると思いますが、地元の産業は大切と思いますので、これからも頑張っていただきたく思います。
  • 雄勝の復興に関心を持った。
  • 懐かしい雄勝について、色々お話が聞けて良かったです。今後とも硯を通して雄勝を再び活気あるものにしていってほしいと思いました。
  • 震災の時の様子をビデオを見ながら伺い、皆さんの復興の苦労がよく分かりました。これからも伝統工芸を守っていってほしいと思いました。

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