5月17日(火)と18日(水)の2日間、ともに10:30~12:00で、講師にみやぎ地場産品開発流通研究会会長であり、仙台箪笥 熊野洞の熊野 彰氏をお招きし、みやぎ地場産品開発流通研究会のこれまでの取り組みを通したモノづくりについて教えていただきました。当初、1日のみの企画でしたが、参加希望者が多かったため増設し、2日間で対応いたしました。
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みやぎ地場産品開発流通研究会は、県内の手仕事を生業とする5つの産地組合(鳴子漆器・岩出山竹細工・津山木工・雄勝硯・手しごとAKIU)と、東北工業大学および行政が連携し、商品及び流通開発等の各種事業展開を行っている団体です。

熊野洞は秋保工芸の里にあり、その地でモノづくりに従事している異業種同士が連携して「手しごとAKIU」を構成されています。その中にはおはぎで有名な佐市(さいち)様や数百種の植物を生産販売しているはゆな花壇様なども含まれています。歴史ある温泉と自然を生かし、地域を活性化し、来客数を増やし、自分達の商品を売る・交流人口を増やす・観光に寄与することを目的とされています。

仙台箪笥職人である熊野氏が提唱されていることは「豊かに暮らす道具」です。それは、使いながら・直しながら・大切に愛用することができる道具作りを意味します。古いものを再生して使い続ける背景には、職人の製品への誇りと高い技術力の裏付けがあります。モノづくりの伝統を守り、受け継ぐことが大変であるからこそ、その価値を正しく知ってほしいという熊野氏の熱意が伝わってまいりました。製品として仕上げるまで、および一人の職人が熟練の技を身に付けるまでには、永い時間とエネルギーを要します。だからこそ、価格にそれが反映されるのは正当なことであると納得いたしました。

伝統工芸品は、現代の生活に合わせて様々な変化も遂げています。仙台箪笥も刀や羽織・袴を収めるというかつての用途から、現代の住環境に合わせたコンパクトサイズが誕生しています。最近では「家にある仙台箪笥と同じ誂(あつら)えに仏壇をしてほしい」というご要望を承ることもあるそうです。硯のイメージが強い雄勝石も、食器としての商品開発に力が入れられています。

また、様々な展示会や物産展を通して、多くの方々に作品を知ってもらう取り組みに加えて、子どもたちを対象としたワークショップでモノづくりを伝える活動にも取り組まれています。熊野氏は、自分の手の大きさや指の長さに合わせたお箸を、子どもたちに作ってもらうワークショップを行った時のことを教えてくださいました。お箸をのこぎりで切って、やすりで仕上げるというワークショップを通して、人の手で作られたものを丁寧に扱う(使う)、という心を育てる素晴らしい取り組みだと感じました。

今回のセミナーでは、そうした手しごとの尊さを実感するための、耳かき仕上げのワークショップも行われました。
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最終仕上げの前段階まで加工された耳かきを、木の棒に巻きつけた紙やすりで、自分に合うように仕上げて完成させました。時折、自分の耳に入れてみては、耳かき部分の大きさや形状を確認しながら作業が進められました。
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貴重な手しごと体験をして、モノづくりの大変さと尊さを実感されたお客様が多かったようです。

恒例の軽食タイムには、弊社飲食事業部「一乃庵.」の中華点心メニュー(17日)、和食膳メニュー(18日)をご賞味いただきました。

以下はアンケートに寄せられたお客様の声です。

  • 言葉では簡単な「手しごと」が秋保の歴史とかと関わりながら、とっても大切なものであることが分かりました。伝統を大切にしながらも、ワークショップ等を通して、若い人たちにもつながっていることを知り、嬉しく思いました。今度秋保を訪れたら、また違った感覚で見て楽しめそうです。
  • ひとつの物を作るのは手間がかなりかかるもの、手間をかけないといいものはできないと改めて分かりました。良いものを持ち、大事にして使用します。
  • 耳かきづくり体験は、とても楽しかったです。少しの時間で夢中になれました。どこをどうやすりをかければどうなるか、という想像をしながら完成していく楽しみがありました。
  • 伝統工芸はとても好きですが、やはり高価なため子どもたちに触れさせるのには勇気が入ります。今日は、物に対して丁寧に触れる意味をどのように話したら良いかもお話の中から得ることができました。これからも伝統を大切にと日常生活の中で伝えていきたいと思います。
  • ワークショップ(耳かき)とても楽しかったです。削り始めると自然に会話が弾み、和んだテーブルになりました。これからもワークショップ楽しみにしています。手仕事で採算が摂れるというのは大変なことなのですね。私たちが使う事から始まるのかなと思いました。
  • 秋保や宮城の工芸の現在のカタチを作っている方の口から聞くことができて良く分かりました。行政の方も上手く使って全体が成長していけるのがこれからのモノづくりが生き残るためのカタチなんだなと思いました。
  • 宮城の手しごとの色々、興味深いお話ばかりでした。大切にしていこうという熱い心情がひしひしと感じられました。最近、本物の素晴らしさに囲まれた生活をしたいと思うようになりました。
  • お話はもちろんのこと「耳かき」製作がとても良かった。熊野さんの説明にあったように、段取りが一番大変だと思います。何事も準備が一番。手しごとは特に思います。とても貴重なお話に参加させていただきありがとうございます。

 

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