3月23日(水)10:30~12:00で「井上ひさしの生涯と作品」と題して、仙台文学館 学芸室長の赤間 亜生氏を講師にお迎えし、日本を代表する小説家であり劇作家、そして仙台文学館の初代館長も務められた井上ひさし氏の作品とその生涯について詳しく教えていただきました。
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山形県の羽前小松(現在の川西町)に生まれた井上ひさし氏は、幼い頃に父を亡くし、家庭の事情で中学三年から高校卒業までを仙台の児童養護施設で過ごされています。人生の3年半、しかも多感な時代を児童養護施設で過ごした経験は、作家・井上ひさし氏の誕生と、その作品に大きな影響を与えたということです。
しかし、どんな苦労話であっても、井上作品においては笑い話に置き換えられていることが多く、ユーモアの中にしみじみ感じさせるメッセージが込められています。仙台時代に題材をとった自伝的作品「青葉繁れる」は、名門高校の劣等生たちを描いたユーモア全開の青春物語ですが、同時期に「四十一番の少年」というユーモアとは別の面を持った作品が書かれていたことを教えていただきました。まるで同時期に書かれたとは思えないほど両極端な内容の小説ですが、ここに井上氏の人生の紆余曲折が表れているようにも思えました。だからこそ独特の視点で物ごとを捉えることができたのかもしれません。「悪」も悪としてだけ書かず、ユーモアのセンスを少しだけ効かせてあるところに、井上作品の奥深さがあり、読み手が強く惹かれるのだろうと赤間氏のお話を伺いながら感じました。

井上ひさし氏は、平成10年4月に仙台文学館の館長に就任され、9年間初代館長を務められました。本日の講師の赤間氏は、文学館準備室時代からの立ち上げメンバーで、普段は物静かだったという井上氏の様子なども交えながら教えてくださいました。
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仙台文学館では、来月10日まで企画展「井上ひさしの江戸」が開催されています。今回のラウンジセミナーはそれに合わせて、地元所縁の作家への理解をさらに深めていただきたいと企画いたしました。

恒例の軽食タイムには、弊社飲食事業部「一乃庵.」のラザニアがメインの洋食メニューをご賞味いただきました。本日参加されたお客様は、井上作品を読んだことがある方が多くいらっしゃいましたので、それぞれが読まれた作品について会話を楽しまれていました。

以下はアンケートに寄せられたお客様の声です。

  • 井上ひさしについて益々関心が沸いてきました。今まで読んでいない本も読みたくなりました。
  • 井上ひさし先生の人となりが良く分かりました。戦前~戦中戦後の頃の子ども時代、ホームでの生活等々のご苦労が小説になって表れており、是非これから井上作品を読みたいと思います。
  • 井上ひさしについて改めて学び、とても感動しました!!年譜を追い、分かりやすい講座でした。文学館の見学とともに、また作品を読み返したいと思います。笑いの根底にある生い立ちの寂しさ、それを乗り越えての作家としての大成。お母さんの存在の大きさ。とても感動しました!!
  • 知らなかった。井上ひさしの話が聞けて良かった。志を持って生きる人だったんだと思います。
  • 井上ひさしの一般的な知識しか持っていなかったので、少々不安でしたが、優しい語り口でとても楽しい講座でした。音楽のセミナーにしか興味がなかったのですが、こんな風にエピソードを加えて話してくださると、仙台人として懐かしく思い出します。本当にありがとうございました。是非本を読んでみたいと思いました。
  • 井上ひさし作品は以前から読んでいましたが、今回、大学入学後の休学期間については初めて知りました。とても参考になりました。ちなみに仙台文学館で、生前の井上氏から連続文学講座を受講したのは良い思い出です。

 

ラウンジセミナーは毎週水曜日を基本に生活に役立つ様々なテーマで開催しています。

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