6月10日(水)10:30~12:00で東北福祉大学芹沢銈介美術工芸館 参与の濱田 淑子氏を講師にお迎えし、「仙台の暮らしを彩る道具」と題して、仙台の工芸品にみる道具としての役割について教えていただきました。
①
仙台でつくられてきた工芸品として「仙台平(せんだいひら)」「堤焼」「堤人形」がハレの場でどのように使われてきたのかを、古い資料を元に、優しく丁寧な口調でご説明いただきました。

仙台平は専ら袴地として作られ、シワになりにくいことから、その質の高さは全国に知れ渡っていました。かつて徳川吉宗や将軍家重への献上品に用いられたという記録も残っています。次第に絹生糸も地元産のものが使われるようになり、高品質な地元工芸品として今に受け継がれています。川端康成氏がノーベル文学賞の授賞式で身に付けていた袴が「仙台平」であったことはよく知られています。
②
堤焼・堤人形が生まれた堤町は、奥州街道沿いで人の往来が多い地域だったため、お土産品がよく売れたということも教えていただきました。そうしたお土産品として堤焼や堤人形が育まれてきた背景があります。人形は歌舞伎や舞踊を題材に作られたものが多く、最盛期の文化文政時代にはよく売れたそうです。その後、堤人形は一時期衰退が危ぶまれていましたが、大正時代に仙台市が助成を行って支え、今に伝えられているということです。

しかし、残念ながら地元の伝統工芸品の多くは、作り手が少なくなってきている影響から価格が大変高くなっていることも事実です。仙台箪笥を一例にとっても分かる通り、大変丁寧に作られている分、長年使用できますが、作る上での手間がどうしてもかかるために一般の方にとっては求めにくくなっているという現状もあります。
こうした点に対して、「自治体が助成すべきでは」との声も参加者から出ておりました。

先週の「居久根で作られた道具から暮らしを考える」のセミナーでも感じたことですが、地元のことであるにも関わらず知らないことが多いことに気付かされます。地元企業だからこそ、地元文化をお伝えしていく機会を積極的に作るべきである改めて感じました。

恒例の軽食タイムには、弊社飲食事業部「一乃庵.」によるサンドイッチとオードブルのセットをご賞味いただきました。

以下はアンケートに寄せられたお客様の声です。

    • 「地産地消」の言葉だけが独り歩きして、実際に仙台の産物が忘れられている感じがしていました。ところが今日の濱田先生のご講話によって、地元の産物を改めて見直し、大事に使い、県外の方々へもその価値を広める工夫・努力が大事だと思いました。
    • 仙台由来の様々な工芸品が過去にあったにも関わらず、私たちの手に届かない存在になっていることが残念。現在残っているものは、普段使いとしては手の届かない存在となっているのは、仙台にそれらを育てる意識が無かったのか、地場の地産地消をもっともっと市民の意識の中に育てる担い手の存在が必要ではないか。
    • 濱田先生のお人柄が良く出ておられ、分かりやすく優しい言葉に好感が持てました。
    • 私は岩手県の人間ですので、仙台の事はあまり存じませんので、大変良い機会をいただきました。いつも土産は何がよろしいのか悩んでおりましたが、とても良い参考になりました。
    • 仙台平せんだいだいらと読んでいました。今回、せんだいひらと分かりました。若い時には感じないけど、ある年齢を経てようやく良さに気付きます。

 

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